2020年度卒研生の北林崇君,辻崚人君,齋藤毅君,恒成泉君の4人が2021年日本建築仕上学会奨励賞卒業研究賞を受賞

2021.05.27

2020年度に,建築材料研究室(中村研究室)で卒業研究を実施しました北林 崇君,辻 崚人君,齋藤 毅君,恒成 泉君の4人が,2021年3月9日付けで,2021年日本建築仕上学会奨励賞卒業研究賞を受賞しました。

卒業研究は,「土壁の仕上げにおける引きずりに関する研究」と題しています。引きずり仕上げとは,引きずり鏝を使い,引きずり波模様のテクスチャーを作製する左官仕上げの一つです。数寄屋建築や茶室の外壁または塀などに適用される工法で,塗り付けられた土壁は,表面に特徴的な引きずり波模様が発生します。これまで,引きずり仕上げについて,学術的な資料や知見は,ほとんどまとめられていませんでした。また,この引きずり波模様の発生メカニズムなど不明な点が多い状況にあります。

受賞者の4人は,一丸となって,本研究に取り組み,研究指導者の中村もよく分からないことが多い状況で,左官職人達へのヒアリング,実験条件設定,引きずり波模様の長さや間隔の計測方法,引きずり波の発生メカニズム,等を精力的に検討したものです。このように,本研究は,卒業研究に取り組む学生達の自主的な創意工夫によってまとめられました。

今回,2021年日本建築仕上学会奨励賞卒業研究賞を受賞でき,大変うれしいです。

2021年日本建築仕上学会奨励賞卒業研究賞の受賞理由

北林 崇君・辻 崚人君・齋藤 毅君・恒成 泉君

土壁の仕上げにおける引きずりに関する研究

「本研究は、数寄屋建築や茶室の外壁または塀などの土壁仕上げに用いられている左官による引きずり波模様について、左官工の経験や技能による模様の相違を、材料の調合および鏝の種類を要因として実験し、波模様の長さ・間隔の定量化や図解によって検討したものである。この成果は、波模様の形成メカニズムの解明や左官技能・技術の修得ならびに伝承に寄与するものと認められる。左官職人へのヒアリング調査では土がちや砂がちの調合に対する注意点、施工実験では引きずり仕上げの施工手順を整理している。また、鏝裏の目視観察から、丸鏝の曲率に対応して引きずり時の表面の荒れ方が変わることを見出し、引きずり試験体の波模様の特徴の計測方法を検討し、引きずりの波模様の長さと間隔に対応する波模様の発生メカニズムの手がかりを示している。よってここに、日本建築仕上学会奨励賞の卒業研究賞を贈るものである。」