杉本 修一さん 2002年度卒業 就職

株式会社三菱地所設計/建築設計一部

www.mj-sekkei.com/index.html

「ものづくり」という仕事

現在の仕事

主にオフィスビルを中心に中高層~大型複合ビルの建築設計に携わっています。建築の企画から基本計画・基本設計・実施設計・現場段階・竣工・オープンまで全てのフェーズで、設計者として関わりを持ちます。
私は、入社11年あまりで、オフィスビルだけではなく、商業施設、放送局、ホテルや高級マンション、公共建築の仕事にも関わる事ができました。それぞれの建物で多くの関係者の方々と仕事を共にし、築き上げてきた人間関係と建物たちが私の財産であり、今後仕事を続けていくうえでの大切な礎となっています。
建築設計の仕事は、図面を「つくる」ことに留まらず、関係者の方々とさまざまな検討成果を「つくる」ことや、人々と信頼関係を「つくる」こと、現場の建物を「つくる」場で物決めしたり、完成した建物ユーザーの笑顔や幸せを「つくる」ことまで含まれます。私は、そんな自分の仕事を総称して「ものづくり」と言っています。

在学中の学び

在学中に建築について見る・聞く・読み解く・表現する(描く・つくる)…といった一連を学びました。どれも社会に出てから「ものづくり」に必要になる大切なものです。
学校の講義以外にも、建築の見学や有名建築家の講演会があり、ワークショップに参加して実際に建築を「つくる」ことを体験したり、多角的に建築を体験することができました。
特に思い出に残っているのは、仲のいい友人たちとたくさんバカをやったことです。そんな中でも、一緒に課題をこなしたり、喧嘩しながら議論したり、徹夜でコンペの出展作品を仕上げたり、ワークショップで山に籠って公園施設を作ったりと、苦労の中で生まれた笑いや、打上げの時の大はしゃぎが特に思い出深いです。
在学中も知らず知らずに図面・検討成果・信頼関係・建築・笑顔を「つくる」ことをしていたんだなと思います。それらの体験は間違いなく仕事で活かされています。

先輩からの一言

「ものづくり」でユーザーの笑顔や幸せを「つくる」と先述しましたが、人々の笑顔や幸せを生む良い建築づくりを目標に進めることが、この仕事の大切な根幹と言えます。
良い建築をつくるには、現場で厳密に検討した膨大でさまざまな製作図面が必要になり、その図面をつくるには事業者やゼネコンをはじめ多くの関係者と何度も打合せを重ねます。その基盤となる図面は、事業者のリクエストを吸い上げながら、社内で様々な議論を繰り返し、構造設計者や設備設計者との調整を図り、あらゆる状況をシミュレーションしてつくりあげられていきます。
このプロセスは、「Aを達成するにはBが必要で、Bを達成するにはCが必要で…」という一種の連想ゲームに近いと思いますが、常にユーザーの笑顔や幸せを「つくる」という目標からブレないことが大切です。今、紙に引く一本の線がユーザーの笑顔や幸せにつながる…そんな「ものづくり」の仕事に興味を持っていただけると嬉しいです。